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オメガのオーバーホールではそれぞれの部品を分解して洗浄するため、各部品の名称についても知っておいたほうがよいでしょう。ここでは、オメガ時計の機構の種類と、部品のそれぞれの名称を紹介します。
機構とは、機械の内部構造のこと。現在一般に出回っているほとんどの時計が、機械式かクォーツ式の機構を採用しています。それぞれの仕組みと違いについて見ていきましょう。
機械式時計とは、ゼンマイを動力として機能する時計のこと。巻き上げたゼンマイがほどける力を動力として時を刻みます。その歴史は古く、腕時計が誕生するより前の17世紀まで遡るのだとか。
無数の歯車や部品がいくつも組み合わさる機械式は複雑で精密な構造のため、大量生産時計と一線を画すステータス性を備えています。また組み立てることを前提としているため、定期的にオーバーホールすることで長く使い続けることができるでしょう。まさに親から子、次世代へと受け継がれるにふさわしい時計です。
一方デメリットは、クォーツと比較して精度が劣ることや、取り扱いに注意が必要が必要な点が挙げられます。
クォーツは電池を動力として動く時計のこと。量販店などで販売している数千円~1万円程度の時計はクォーツ式ということもあり、多くの人に馴染み深い時計と言えます。
クォーツとは水晶のことで、クォーツ時計は1秒間に数万回の振動数を実現する水晶振動を用いています。クォーツの性質が発見されたのが19世紀後半ということもあり、クォーツは結構最近に出始めた時計です。
大きなメリットは正確性。何日間か時計を放置しておいても止まることはなく、一定の精度を保ちます。低価格なものでもそこそこの性能を保つため、コストパフォーマンスが高い時計と言えるでしょう。デメリットには、機械式時計と比べて資産価値が低いことや、電池交換の手間などがあります。
文字盤のこと。具体的に言うと文字盤の上の数字や目盛りが記されていて、時計を指す針が上に乗ることになる部分を指します。プリントされたものが一般的ですが、ギョーシェ彫りやエナメル・シェルなどを使用した高価なものなども多く存在します。湿気が入ると文字盤表面が劣化しやすい傾向にあります。
インダイヤルとは、現在時刻とは別の表示に用いられる小さなダイヤルのことを指します。日付や曜日、月などを表示したり、モデルによってはスモールセコンドや30分積算計、12時間積算計などを搭載しているケースも。文字盤のズレによって針が取れてしまうことがあり、修理には針の取り付けだけでなく針に直結する歯車の交換が必要な場合もあります。
ダイヤルを保護するパーツのこと。現代では、人工的に製造したサファイアを用いたサファイア風防が一般的です。サファイアは非常に硬くキズが付きにくいですが、もしキズが付いてしまっても磨くことができません。交換での対応となるため、それなりに費用が掛かります。一方、旧型のプラスチック風防のモデルは磨くことが可能です。
ムーブメントが収める外側の容器、または腕時計本体のこと。ケースには、ステンレス・金・プラチナ・チタン・カーボンなど多くの素材が使用されています。時計のムーブメントを守り、時計自体の印象を決める重要なパーツで、さまざまな形状があります。防水時計でも汚れがたまると錆びて傷むこともあり、オーバーホールの際はケースの洗浄も行われます。
ベゼルとは額縁を意味することばで、ガラス(風防)の周囲に取り付けられるリング状のパーツのこと。本来は風防をきちんと固定するために存在する部品でした。現在ではリング状に目盛りが振られているものや、ダイヤなどの装飾が施されているもの、ベゼルを回転させて回転計算計として使用できるものなどがあり、デザイン上のアクセントを加える役割をするベゼルも多いです。
ケースの上下に突き出す形で取り付けられた、バンドを装着するためのパーツのことです。腕時計のケースと一体となっているものも多く存在します。ベルト交換のときには、本体のラグ幅とベルトのラグ幅が一致するベルトを選ぶ必要があります。
時計を腕に装着するための部位。さまざまな種類があり、代表的なものにはステンレスやチタンなど金属ベルト、革ベルト、ラバーベルトなどがあります。革製やラバーの場合はバンドやストラップ、金属製の場合はブレスやレスレットと呼ばれることが多いです。最近では、最初からベルトの取り換えが出来るようにブレスとストラップが付属しているモデルもあります。
時計の時刻を合わせたり、手巻き時計の場合はゼンマイを巻き上げる際に回転させるパーツのこと。リューズは「竜頭」と表記される場合も。中には防水性確保のため、ねじ込み式でケースのパイプとリューズを固定させ密着性を高めるスクリューロックのタイプもあり、一部の機械式時計・クォーツ時計ではパッキンと一体型となっている場合もあります。
ケースサイドに出ているボタンのこと。主にクロノグラフを作動させるための操作ボタンのことを指します。かつてはプッシュボタンに防水機能を付けることは難しかったですが、パッキンとねじ込み式が普及してからは防水性を備えたプッシュボタンが実用化されました。トラブルが起きやすいパーツのひとつです。
腕時計のバンド(ベルト・ブレス)を留める金具のこと。もしくは、革ベルトをワンタッチで留められるよう工夫した金具のことです。Dバックルや片開きバックル、観音開きタイプなどさまざまな種類があります。最近ではストラップにもバックルが付くモデルも多いです。経年の影響で、使用とともに緩んでしまうことも。
オメガ修理を安価で対応してくれる3社をピックアップ。
各社とも郵送修理にも対応しているため、お住いの近くに店舗がない場合にもおすすめです。
スペック:オメガスピードマスター/クロノグラフ/自動巻/10年前に購入以降オーバーホールなし
修理内容:ゼンマイ・切替車・裏蓋パッキン・バンドピン・バンドピン用パイプの交換・オーバーホール
※修理専門店でオメガスピードマスターのオーバーホールが2020年4月現在最安値の「カナルクラブ」、チェーンの大手「なんぼや」、オメガ正規店である「スウォッチ」の3店に見積もり依頼し、その結果を掲載しました。
※見積もり期間は2020年1月~4月です。