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オメガのオーバーホール時の研磨について紹介します。研磨方法の種類や作業の工程、注意点などについて解説するので、ひとつずつ見ていきましょう。
オメガの時計の外観メンテナンスとして、研磨という方法があります。時計は大切に使っていても細かい傷や錆が付いてしまいますが、研磨することによって時計をキレイな状態に戻します。
専門店の研磨作業では「バフモーター」と呼ばれる研磨専用機械が使用され、職人の手作業によって丁寧に磨き上げられます。研磨はパーツごとに行うことも可能です。腕時計の状態によって研磨が必要な場所は変わってくるので、時計の状態を知ることからはじめましょう。
腕時計の研磨の種類について大きく分類すると、仕上げ方法によって「ポリッシュ仕上げ」と「ヘアライン仕上げ」の2種類に分かれます。
ポリッシュ仕上げは「鏡面仕上げ」「新品仕上げ」などとも呼ばれる方法で、腕時計の研磨において一番基本的な仕上げ方法になります。バフモーターなど機械に研磨剤を使用して丁寧に磨くことで表面の細かい傷をなくし、鏡のように光を反射するくらいまでの状態に仕上げます。
細かい傷ならポリッシュ仕上げで対応できますが、深い傷の場合は完全に消すことができません。
ヘアライン仕上げは同じ方向に細かい洗浄の模様を入れ、あえて光沢を出さずにマットな質感を出す仕上げ方法のこと。ポリッシュ仕上げとは反対に、つや消し効果があって金属の落ち着いた雰囲気を醸し出すことができます。
高度な専門的技術が必要なため、誰にでもできるわけではありません。ヘアライン仕上げを望むなら、信頼できる修理店に相談するようにしましょう。
修理店で腕時計の研磨を依頼した場合は1~2万円程度が相場ですが、オーバーホールとセットで依頼することでコストを抑えることができます。コストを少しでも抑えたいのならば、オーバーホール依頼時に研磨も依頼するようにしましょう。
また研磨は頻繁に行うとよくないため、オーバーホールのタイミング(3~5年に一度)に合わせると研磨の頻度的にもちょうどよいです。
研磨を依頼するときには、下記のことに注意しましょう。
傷取り・傷消しとも言われる研磨ですが、実際は傷が消えるわけではありません。研磨は、傷の深さまで周りを削り取る作業です。そのため研磨の実施回数が多くなればなるほど、腕時計のケースの金属が痩せていくことになります。
腕時計のケースが痩せてしまうと防水効果が弱まってしまったり、見栄えに影響してしまったりすることもあるので注意が必要です。
磨けば磨くほどケースが痩せてしまうため、研磨には回数制限があります。ブランドやモデルにもよりますが、研磨の回数は多くても5~6回くらいまでが一般的。ケースのフォルムを保てるのは3~4回までと言われています。
売却を考えていないのであれば関係ありませんが、研磨しすぎてしまった腕時計は売却時の価値が下がる可能性があります。ケースのフォルムが変わってオリジナルの形ではなくなってしまうからです。
研磨は、すべての素材ができるわけではありません。ステレンレスやゴールドなどの素材のみ研磨可能です。チタンやメッキ、プラスチックなど素材は研磨できないため注意しましょう。
研磨によって外観の美しさが手に入りますが、やり過ぎには注意しましょう。そこまで傷が気にならないなら、研磨はしない方がよいかもしれません。大切な時計を長く使い続けるためには、日頃のメンテナンスが大切です。
また研磨は自分で行うことはできますが、気を付けて作業しないと修理に出さなければならないほど傷をつけてしまう可能性も。自分で行うのは危険なので、もし研磨を検討する場合は信頼できる専門店に相談するようにしましょう。
オメガ修理を安価で対応してくれる3社をピックアップ。
各社とも郵送修理にも対応しているため、お住いの近くに店舗がない場合にもおすすめです。
スペック:オメガスピードマスター/クロノグラフ/自動巻/10年前に購入以降オーバーホールなし
修理内容:ゼンマイ・切替車・裏蓋パッキン・バンドピン・バンドピン用パイプの交換・オーバーホール
※修理専門店でオメガスピードマスターのオーバーホールが2020年4月現在最安値の「カナルクラブ」、チェーンの大手「なんぼや」、オメガ正規店である「スウォッチ」の3店に見積もり依頼し、その結果を掲載しました。
※見積もり期間は2020年1月~4月です。